監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之
一日で歯を白くするホワイトニングを見分ける方法とは?~効果的なホワイトニングを選ぶコツお教えします<2025年度版>
ホワイトニングは1回で白くなる?
ホワイトニングの効果はその種類、方法によって様々です。1回だけで終わると謳っているものもあれば、1回の効果が弱く、白くなるまでに数回かかるものやホームホワイトニングを併用しなければならないものもあります。ホワイトニングは歯が白くなるまでに回数がかかったり、通わなければならないのではとお悩みではありませんか?このページでは1回のホワイトニングで白くなる原理と方法、費用相場、1回で白くできるホワイトニングの見分け方
をご紹介します。
4.ホワイトニングの効果を促進させる方法~1回で歯を白くするための条件
4-1 時間
4-2 ホワイトニングの回数(クール数)
4-3 ホワイトニング剤の濃度
4-4 光
4-5 温度
4-6 触媒
4-7 pH
4-8 上記1-7のコンビネーション
6.1回で白くなるホワイトニングのメリット、デメリット
6-1 1回で白くなるホワイトニングのメリット
6-2 1回で白くなるホワイトニングのデメリット
1.1回で白くなるホワイトニングとは
どのホワイトニングでも「一度で白さを実感」「1回で~トーン白くなる」などの表記があります。これはどのホワイトニングでも1回で数段階は白くなるためです。ただ1回でカラーガイドの一番白い色まで白くできるホワイトニングは限られます。
1回で白くできるホワイトニングでは低濃度の薬剤を使用することで長時間施術することが可能です。1クール15~20分を3~4クール繰り返し行いますので、1時間以上かかります。ホワイトニングの効果は一度に繰り返し行ったほうが効果が高く、最終クールが一番白くなります。35%など高濃度の薬剤を使用するホワイトニングでは短時間でしみてきてしまいますので、長時間の施術ができず何日かに分けて施術を行ったり、ホームホワイトニングを併用するデュアルホワイトニングを行う必要があります。
また1回で白くできるホワイトニングシステムは特許を取得している効果の高いジェルを使用し、長時間の施術が必要なため、どうしても1回の料金はある程度高くなってしまいます。(ただし料金が高いほうが必ずしも効果が高いわけではありません)。それでも安いホワイトニングを何回も繰り返し受けたり、ホームホワイトニングを併用するよりトータルでは安くなります。
1回で白くできるホワイトニングは
1.効果的なホワイトニングライトを使用している
2.1回の施術に一時間以上かかる
3.ある程度料金が高い
4.ホームホワイトニングの併用(デュアルホワイトニング)が不要
5.メジャーなメーカーのホワイトニング
です。ホワイトニングを選ぶ時の参考にしてください。
各種ホワイトニング比較
ホワイトニング・システム
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光の種類
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1回の効果
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1回の時間
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B1色になるま
での平均回数 |
ブライトホワイト
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ガスプラズマ
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8~10段階
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60分
|
1回
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ティオンオフィス
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LED
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4~6段階
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45~60分
|
1~2回
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ズームホワイトニング
|
LED
メタルハライド |
4~6段階
|
30~45分
|
1~2回
|
レーザーホワイトニング
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ダイオードレーザー
|
3~4段階
|
40~50分
|
3~5回
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ビヨンドホワイトニング
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ハロゲン
|
3~4段階
|
60分
|
2~4回
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マルチアーチ・ホワイトニング
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LED
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3~4段階
|
40~45分
|
3~5回
|
ジェルホワイトニング
(光なしのホワイトニング) |
なし
|
2~4段階
|
40分
|
4~7回
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ポリリン酸ホワイトニング
|
LED
|
1段階
|
20分
|
N/A
|
※1回で4段階以上白くなると肉眼で見て白くなったと感じられます。
2.1回で歯が白くなる原理
ホワイトニングで歯が白くなる原理は、ホワイトニング剤が分解するときに放出されるフリーラジカルが歯の着色物を分解して無色化し、透明度を上げて白くします。ホワイトニングの効果はこのホワイトニング剤を分解するスピードと放出されるフリーラジカルの量によって決まってきます。1回で白くするホワイトニングでは、特定の光や熱などでホワイトニング剤を早く分解して多くのフリーラジカルを出すことでスピーディに歯を白くします。
3.1回で白くなるホワイトニングの費用相場
1回で白くなるホワイトニングは通常15~20分のホワイトニングを3~4回繰り返し行うため、施術時間が長くなります。また1回で白くなるホワイトニングに使用する薬剤は原価が高いため、徐々に白くするホワイトニングに比べて費用は高くなり、30,000円~70,000円くらいかかってしまいます。逆に安いホワイトニングは1回で白くすることはできません。
4.ホワイトニングの効果を促進させる方法~1回で歯を白くするための7つの条件
ホワイトニング剤は何もしなくても時間とともにゆっくりと分解していきます。ホームホワイトニングや光を当てないタイプのオフィスホワイトニングはこれに当たりますが、長い時間が必要になるため、1回で歯を白くすることはできません。
オフィスホワイトニングに使用する薬剤は、濃度が高いため10~20分で薬剤が分解し、効果が弱くなります。1回で白くなるホワイトニングは歯に塗った薬剤を新しい薬剤に替えて3~4回(クール)繰り返します。これは日を分けて行うより、1日で3~4回行ったほうが白くなることがわかっています。
ホワイトニングに使用する過酸化水素の濃度によっても効果が変わってきます。通常は過酸化水素の濃度が高いほど効果も高いのですが、しみる可能性も高くなってきますので、長時間のホワイトニングや一日で複数回のホワイトニングは不可能となり1回で白くすることはできません。最近は光を使用しないホワイトニングも出ていますが、この方法では光で活性化しないために、過酸化水素の濃度は必然的に高くなっています。このため知覚過敏が出る頻度も高くなるリスクがあり、1回で白くすることは難しいでしょう。
ホワイトニング剤である過酸化水素自体に歯を白くする効果があり、ハロゲンライトやレーザー、LEDなどの光は過酸化水素を活性化させる補助的なものです。活性化させる強さとしては一般的には プラズマライト>レーザー >ハロゲンライト>LED >光なしの順です。
ただし、これらの機械もそれぞれの光量(光強度)や波長によって効果が変わりますので、一概には言えません。一般的に光の強度が強く、波長が短い光のほうがホワイトニング剤を分解する能力は高くなります。ただしあまり光が強すぎると歯にしみてしまうため、1回で歯を白くするにはしみない程度の低濃度のホワイトニング剤に強い光を当てるなどのアレンジが必要になります。
ホワイトニング剤は温度が上がると分解する速度も上がります。なるべく高温にしたほうが早く歯を白くすることができますが、温度が高くなると歯がしみてきてしまいます。プラズマライトを使用しますとホワイトニング剤の温度を上げることができますが、歯がしみない程度の温度上昇になっています。
効果の高いホワイトニングシステムのほとんどに薬剤に光触媒が配合されています。一般的に二酸化チタンや鉄などの金属系の触媒が使われます。使用するライトを光触媒が入ったホワイトニング剤に当てることで、スピーディにホワイトニング剤を分解することができます。
ホワイトニング剤のpH(水素イオン指数)も重要です。ホワイトニング剤のpHが高いほうがホワイトニングの効果も高くなります。ただpHが高いと薬剤の保存性が悪くなるため、最近の薬剤は酸性で保存し、ホワイトニングを行う直前にアルカリ性に調整して使用します。
上記の要素を単独で行うのではなく、組み合わせて行うことが重要です。1回で白くできるホワイトニングに共通しているのは、波長が短くかつ強い光を使用し、低濃度の薬剤で触媒を配合したホワイトニング剤を長時間使用することです。有名なホワイトニングメーカーはこの組合せ方法を日々研究しており、短時間で効果の高いホワイトニングシステムを提供することができます
※ホワイトニングには個人差があり、歯の質や抗生物質による変色などで1回では白くならない場合があります。
5.1回で白くなったかどうかの判定
過酸化水素を使用したホワイトニングであれば、どの方法でも1回で数段階は白くなりますが、肉眼で見て白くなったと感じられるのは、1回で4~5段階以上白くなっていることが必要です。歯のホワイトニングのゴールは一般的にカラーガイドの一番白い部分(B1、A1)を目標にしています。1回で白くなるということは1回でこの白さになることです。日本人の平均的な色であるA3~A3.5の色が1回でA1,B1になれば1回で白くなったと言えます。
1dayホワイトニング~1回で白くなるには理由があります
同じ医療ホワイトニングでもホワイトニングの種類によって効果は大きく異なります。1回で白くできるホワイトニングは限られます。
ブライトホワイト NASAの科学者が開発したホワイトニング
1回で白くなるブライトホワイトが受けられる東京、大阪、名古屋などの歯科医院はこちら
ブライトホワイト1回 60,000円(税込66,000円)
ブライトホワイト2 1回 72,000円(税込79,200円)
ティオンホワイトニング トヨタ開発の光触媒技術を使用したホワイトニング
ZOOMホワイトニング フィリップス社製の世界的なホワイトニング
ZOOMホワイトニングが受けられる歯科医院はこちら
出典 What Is Zoom Teeth Whitening? Read Reviews of Costs and Results
ブライトホワイト施術風景
ブライトホワイト注意事項
※ブライトホワイトの効果には個人差があります。抗生物質による変色や元の歯の色が濃い方は一回ではご希望の白さにならない場合がございます。
※歯にしみる可能性があります。
※光線アレルギーがある方はお受けいただけない場合があります。
※ホワイトニングの経験があり、すでにある程度歯が白い方は8~10段階白くならない場合がございます。
※ブライトホワイトに使用する機械は歯面漂白用加熱装置として認可されています。
※ホワイトニングで白くした歯は、時間とともに色戻りがあります。ブライトホワイト直後の白さを保つために半年~1年に1回程度のメンテナンスをお勧めします。
※ブライトホワイトに使用する薬剤はアメリカ食品医薬品局(FDA)の認可を受けています。国内未承認品ですが、重大なリスクは明らかになっていません。
※ブライトホワイトに使用する薬剤は国内に同一の成分、性能を有する製品がないため、厚生労働省へ薬監申請を行い、輸入許可を受けて個人輸入をしています。
詳しくはhttps://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/をご覧ください。
6.1回で白くなるホワイトニングのメリット、デメリット
- 何回も通う必要がなく、時間や手間が省ける
- 徐々に白くするホワイトニングやセルフホワイトニングより白くなるまでの費用が安い
- 歯にしみても1回で済む
- 食事制限が1回で済む
- ホームホワイトニングを併用したデュアルホワイトニングの必要がない
- 1時間以上の長時間の施術が必要
- 徐々に白くするホワイトニングに比べて1回の費用が高い
- 1回で白くなるため、周りに気づかれる可能性がある
※ホワイトニングは歯の明るさを上げて白くする方法のため、どんなに白くしても不自然な白さにはなりません - 徐々に白くするホワイトニングよりしみる可能性が高い
※歯にしみる=歯に負担がかかるということはありません。歯にしみるのはホワイトニングの効果が歯の深いところまで浸透しているためで、その効果が切れるとしみは治まります。
7.ホワイトニング以外で1回で歯を白くする方法
歯の表面に樹脂を塗って白くする方法です。神経がない歯や抗生物質による変色でも原則1回で歯を白くすることができます。
CAD/CAMがある歯科医院であれば、1回で歯を白くすることができます。歯を削ってからCAD/CAMでセラミックブロックを歯の形に削り、歯に装着します。ただ歯を削らなければならないこと、かなり時間がかかってしまうこと、費用が高額になってしまうなどの欠点があります。
8.まとめ
一般のホワイトニングは1回で歯を白くすることはできませんが、薬剤や使用するライトなど一定の条件を備えた方法であれば1回で白くすることは不可能ではありません。時間がない方や何回も通いたくない方は1回で終了するホワイトニングを探してみてはいかがでしょうか。
