監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之
差し歯やセラミックの色を白くする方法教えます!<2024年度版>
天然の歯はホワイトニングによって白くすることができますが、差し歯やセラミックなどの人工物はホワイトニングで白くすることはできません。以前に入れた差し歯をもっと白くしたいと思いませんか?今の差し歯をやり替えずに白くする方法をお教えします。
1.差し歯が変色する原因
1-1 差し歯の表面の着色
1-2 差し歯自体の変色
1-3 接着剤の変色
1-4 周りの歯を白くしたことにより白くならない差し歯が黄色く見える
2.差し歯やセラミックを白くする方法
2-1 歯のクリーニング
2-2 歯のポリッシング
2-3 歯のマニキュア
2-4 差し歯のやり替え
1.差し歯が変色する原因
色の濃い食べ物や飲み物で差し歯にも着色します。特に保険の差し歯など硬質樹脂製の差し歯は表面に着色しやすくなっています。
保険の差し歯など樹脂製の差し歯は経年的に樹脂自体が変色してきます。
差し歯を歯に付けるときに使用する接着剤も樹脂製で、経年的に変色してきます。完全に被せるタイプの差し歯やセラミックでは接着剤が透けることはほとんどありませんが、セラミックが薄いラミネートベニアなどの場合は接着剤の色が透けています。接着剤が変色するとセラミックが黄色くなってきたように感じます。
差し歯やセラミックなどの人工物はホワイトニングでは白くすることができません。ホワイトニングをする前の歯の色に合せて入れた差し歯は周りの歯に比べて黄色く見えてしまいます。
2.差し歯やセラミックを白くする方法
差し歯やセラミックの表面の着色は歯のクリーニングで白くすることができます。差し歯が黄色くなってきたと感じられた場合はまず歯科医院でのクリーニングをお勧めします。
保険の差し歯など樹脂製の差し歯は表面を一層磨くことで新しい樹脂面が出てきれいになることがあります。ただし樹脂の厚みにもよりますので、歯科医師にご相談ください。
マニキュアは歯を削らずに白い樹脂を塗って白くする方法で、セラミックをやり替えずにホワイトニングをした歯の色に1日で合わせることができます。ただし人工の歯への接着力は天然の歯よりも弱いため外れやすく注意が必要です。それでもメンテナンスによっては、5年くらい使用できる場合があります。将来はセラミックをやり替えるにしても、とりあえず色を合わせたい場合にはお勧めです。
マニキュア前 マニキュア後
上の前歯がセラミック 上の前歯6本をマニキュア
マニキュアの注意事項
- マニキュアは、セラミックや金属などの人工の歯にも施術できますが、天然の歯に比べて接着力は弱くなります。
- 元の歯の色が濃い場合、マニキュア本来の色が出せないことがあります。
- 歯を削らずにマニキュアを塗るため、若干の歯に厚みが出ます。
- 一本のみの場合、周りの歯と完全に合わせるのが難しい場合があります。
- マニキュアは定期的なお手入(メンテナンス)が必要です。
- 差し歯やセラミックのやり替えには古い差し歯を外して歯を削り直す必要があります。
- 新たにセラミックを作製するため、高額になります。
- 中の歯の状態によってはやり替えができない場合があります。
- セラミックは定期的なお手入(メンテナンス)が必要です。
一番きれいにするにはやはりホワイトニングの後に自分の歯の色に合わせて、差し歯やセラミックをやり直す方法です。ただし歯を削りなおす必要があることと、費用がかなり高額になってしまう欠点があります。
セラミックの注意事項
3.差し歯の変色を防ぐ方法
歯に着色するような色の濃い食べ物、飲み物に注意すると歯の表面の着色を防ぐことができます。ただ差し歯自体の変色や接着剤の変色を防ぐことはできません。このような場合はマニキュアやセラミックのやり替えになります。
4.まとめ
差し歯やセラミックを白くするには原則やり替えになります。しかし中には費用的な問題や、セラミックを入れてからまだ時間がたっていない場合など、差し歯やセラミックをやり替えることができない場合があります。将来ホワイトニングをする可能性がある場合は差し歯やセラミックを入れてしまう前によく相談しましょう。