監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之
歯のホワイトニングはしない方がいい意外な7つの理由とは?<2024年度版>
近年歯のホワイトニングが人気になっています。ホワイトニングは1989年に実用化された方法で、安全性も確立していますが、ホワイトニングはしない方がいいという意見もあります。ホワイトニングは本当はしない方がいいのでは?と不安ではありませんか?このコラムではホワイトニングをしない方がいい理由を解説します。
1.ホワイトニングは歯にしみます
ホワイトニングで歯がしみた方は軽いものを含めると7割くらいと言われています。特にホームホワイトニングでは下の前歯がしみやすく、一度しみてしまいますと毎回しみるようになってしまい、途中で断念してしまう方も少なくありません。痛みに弱い方はやめておいたほうがいいでしょう。
※ホワイトニングによる知覚過敏はホワイトニング後24時間以内にはほとんどが治まります。痛みに弱い方は一回で白くなるホワイトニングをお勧めします。一回で白くなれば痛みも一回で終わります。
2.ホワイトニングは歯を傷めます
ホワイトニング剤に使用される過酸化水素水はpHが4.5で酸性です。これをそのまま使用しますと歯の表面のカルシウムが溶けてザラザラになる脱灰という状態になります。ただこの脱灰は通常の飲食でも起こる現象で、ホワイトニング剤による脱灰はオレンジジュースを飲んだ時と同じくらいです。この脱灰は一時的な現象で唾液によってカルシウムが歯に再沈着することで元の状態に戻ります(再石灰化といいます)。大学の実験でも歯に対する安全性は実証されていますが、一時的でも歯がザラザラになってしまうのが心配な方はホワイトニングはしない方がいいでしょう。
※オフィスホワイトニング剤を歯科医院内で調合して使用するホワイトニングではこのような現象が起こりますが、有名メーカーのホワイトニング剤は使用する際にpH調整剤で中性にしてから使用しますので、脱灰は起こりません。
3.ホワイトニングは危険です
歯科医院など医療ホワイトニングに使用されるホワイトニング剤は取り扱いによっては人体に影響があるクラスⅢの医療用具に分類されています。また過酸化水素6%(過酸化尿素16%)以上の濃度のホワイトニング剤は劇毒物に指定されており、取り扱いに十分な注意が必要になります。そのためホワイトニング剤を個人で入手して自分で使用することは大変危険です。ホワイトニング剤は必ず医療機関で歯科医師、歯科衛生士の下で行ったほうがいいでしょう。
また全身状態によってはホワイトニング剤が使用できなかったり、ホワイトニングライトを当てることができない場合があります。ホワイトニング前にホワイトニングが安全にできるかどうかの確認も必要です。
4.本格的なホワイトニングは高額です
ホワイトニングは健康保険が適用されない美容医療です。そのため十分な効果を得るためにはどうしても数万円かかってきます。逆に安いホワイトニングは効果がほとんどない場合もありますので、時間とお金の無駄になってしまうこともあります。あまり安いホワイトニングはしない方がいいでしょう。
5.ホワイトニングの効果は永久ではありません
ホワイトニングは必ず色戻りがあります。そのため他の美容医療同様に定期的なメンテナンスが必要になります。一般的には半年に1回程度のタッチアップを行います。メンテナンスが面倒な方はホワイトニングではなく歯を削ってセラミックにするなど、色戻りがなくメンテナンスが簡単な方法のほうがいいかもしれません。
6.ホワイトニングで虫歯になりにくくなってしまいます
高濃度の薬剤を使用したオフィスホワイトニングで歯が強化されて虫歯になりにくくなることがわかってきました。虫歯の治療をメインにしている歯科医院にとっては、ホワイトニングをすることで虫歯が減ってしまうため、ホワイトニングは危険だからしない方がいいと言っているかもしれません。
7.ホワイトニングで歯を白くすると好感度が高くなってしまいます
歯が白くなると好感度は高まります。これは最近の芸能界を見ても明らかです。好感度が高まれば仕事や交友関係も良好になり、今よりさらに忙しくなってしまいます。これ以上忙しくなって困る方や人気が出て困る方はホワイトニングはしない方がいいでしょう。
8.まとめ
ホワイトニングは歯を削らずに白くできる画期的な方法ですが、場合によってはホワイトニングをしない方がいい場合もあります。ホワイトニングのメリット、デメリットを十分に理解したうえでホワイトニングを受けましょう。